5話 元いじめっ子といじめられっ子
- ichigopanikku15
- 2017年4月22日
- 読了時間: 7分

中三年の頃、身に覚えのない噂が流れ
親友や友達から相手にされなくなった時があった。
噂は徐々にズレて大きくなりクラスでは誰もが私を軽蔑する目で見るようになり
クラスでも孤立していた。

だけど一人だけ
噂を気にせずに話しかけてきてくれた人がいた。

藤堂光
口が悪く近寄りがたいけれど、少しだけ優しかったようなそうじゃないような・・・
同級生の中でも大人びた考えをしている人だった。
レベルが高いシム州高校に入れたのもこの人が勉強を教えてくれたのもある。

「凄い!すごい!」

白雪「斑鳩さんとお兄ちゃんが元同級生だったなんて」

白雪「こんな偶然があるんだね!凄いなあ~」

藤堂「そうだな」

日向(・・・さっきから観察されてる感じがする。相変わらず何考えているか分からなくて恐い)

藤堂「日向ちゃんは昔と変わんねーな」
日向「よく言われます」
藤堂「だろうなw」

白雪「じゃあ、お兄ちゃんが言っていたシム州高校に行った人って斑鳩さんの事?」
藤堂「そう」
日向「何を・・・(何を言った!!?)」

藤堂「成績が普通の奴でも頑張ると入れたからお前なら余裕だろって」
日向「むっ・・・!」
白雪「お兄ちゃん!斑鳩さんと会ったとたん意地悪になったよどうしたの?」
藤堂「そんなことねーよ」

日向「藤堂君も変わってないね」
藤堂「俺もよく言われる」
日向「(笑)」

白雪「お兄ちゃんこんなに意地悪だったの?斑鳩さんそんな事言ってなかったですよ~💦」
日向「もっと酷いこと言ってそう・・・」

白雪「確か・・・あ、ふふっ」
日向「やっぱり・・・」
白雪「ふふふふっごめんなさい!むふふ」
日向「そんなに笑うこと!?」

白雪「ふふふっ・・・あのですね」
藤堂「笑うの止めて差し上げろw可哀想だろw」
日向「藤堂君・・・一体何を言ったの?」
藤堂「凄く頑張ってたくらいじゃねーの?覚えてないけど」
日向「適当・・・」
白雪「うふふ」

日向(普通に話せてる)

日向(ずっと昔の事だし)

日向(昔の事は笑い話レベルだなーって実感してホッとした)



日向「白雪ちゃん寝ちゃったね」
藤堂「疲れてるんだろうな。最近あまり寝てないみたいだしな」
日向「え・・・」

藤堂「元気がないんだよ。こっちで上手くいってないのか聞いてもはぐらかす一方だからな」
日向「そうなんだ?」
藤堂「何か聞いてない?」
日向「・・・・・・聞いてない」
藤堂「何その間w相変わらずわかり易いなw」
日向「・・・・・・」

藤堂「話をしても学校の話ではなくて日向ちゃんの話をするんだよ」
日向「私の?」
藤堂「それしか話す事が無いんだろうけどな」
日向「そんなこと無いと思うよ。年頃の女の子なんだから」
藤堂「そうだといいけど」

日向「何か…藤堂君優しくなったね」
藤堂「俺は生まれてからずっと優しいけどな」
日向「・・・・・・」
藤堂「黙るなよ」
日向「ごめん」

藤堂「無理に連れていく形になって悪かったな」
日向「そんなことないよ」
藤堂「あるだろ。だから白雪に行かせたんだけど」
日向「お礼とか気にしなくても良かったのに」
藤堂「普通は気にするだろ」
日向「でも逆に申し訳ないよ」
藤堂「クスッ。本当に変わってないな」

藤堂「ねぇ、日向ちゃんはまだ俺の事嫌い?」
日向「どうしたの急に」
藤堂「終始俺の出方伺ってたろ」
日向「そんな・・・」
藤堂「そんなことないとかは言うなよ。タダでさえ顔に出んだから」
日向「・・・・・・」

日向「・・・ごめんね。ちょっと思い出してたかな」

藤堂「まあ、そうそうあんなの忘れられるわけねーよな(笑)謝らなくていいよ。分かってたけど」
日向「え?」
藤堂「こっちの話」


日向「今日はありがとうね」

藤堂「こちらこそ。これからも白雪が世話になると思うけど仲良くしてやって?ココには日本人少ないみたいだから日向ちゃんが居て安心してると思うから」
日向「喜んでだよ!白雪ちゃん可愛いもん」
藤堂「それは良かった」

藤堂「ただ」

日向「?」

藤堂「余計な事はいうんじゃねーよ?」
そうだった

日向「いひゃい!よ、余計な事って?」
藤堂「昔の事。言ったら分かってるよな?」
日向「言わないよ!言ってどうするの」
藤堂「念のため。日向ちゃん馬鹿正直だから」
この人は

藤堂「じゃあ、また俺たちも仲良くしようね♡」
こういう人だった
本当に変わってないみたいだ。

この先が思いやられるんですが・・・



日向(うわあ・・・綺麗・・・先月とは違うドレスだ)

日向(ここのドレスはいつ見ても素敵だなあ・・・いつか着てみたいな。いや私には似合わないか・・・相手もいないし夢のまた夢wあ・・・)

日向(そうだ!)


日向(ふふっドレスをイメージした純白ケーキ採用されたぜ♡)

日向(ドレスだけじゃなく季節の服装をイメージした物も良いかもしれないなあ~)

「お ね え さ ん ♡」
日向「?」
「ケーキ屋のお姉さん」

日向「あ・・・(あの人は確か)」

日向「前のパーティーの主催者のお兄さんと・・・(極上の美人さん!!!!?)」
ジルベール「こっちに来てくれる?紹介したい人がいるんだ」
日向「は・・・い・・・?」

ミリアン「初めまして。私は表でブライダルショップを経営しているミリアン・ブラウンよ」
日向「あ、あの綺麗なドレスを飾っている・・・!」
ミリアン「ご存じでしたか。ふふっ嬉しいわ」
日向「(私はアナタのような極上の美人を見れて目が幸せです!)あの、私に何か用でしょうか?」
ミリアン「そうそう、彼から貴女の事を聞いてお話があって、お仕事帰り疲れていると思うのだけれどウチのショップに来てくれないかしら?」

日向「良いですけど・・・何を・・・」
ジルベール「率直に言うと、これから製作する新作の ドレスのモデルになって貰えないかって話なんだけど」
日向「ふえっ!?も、モデル!?」
ミリアン「是非お願い出来ないかしら?もう貴女に合わたデザインを考えているの」
日向「えっ・・・!!?でも、そんな・・・私スタイル良いわけでも、綺麗なわけでも無いですし、別な人を探した方が良いと思います(寧ろミリアンさんがした方が良いのでは・・・)」

ジルベール「そんな謙遜しなくてもw一度来てみて考えない?それにドレスは今季3でモデルは1着に一人だからお姉さんだけじゃないし気軽に出来ると思うよ」

日向「う~ん・・・でもなあ・・・」
ミリアン「モデルと言ってもウチのショップのドレスのカタログや宣伝で使うだけだから、彼が言う通りドレスを着れるという気軽な考えで。それともドレスには興味がないかしら?」
日向「いえ・・・いつかは着てみたいな~とは・・・」

ジルベール「じゃあ、見てから決めようよ?ね?ね? 」
ミリアン「どうかしら?」
日向「う・・・じゃあ、見てから・・・で」
ミリアン「ありがとう。行きましょうか」
日向「はい」

ミリアン「夜に本当にごめんなさいね。でも話しかけるタイミングがなくて」
ジルベール「パティシエって朝は早いし終わるのも遅いから大変そうだよね」
日向「苦に思ったことはないですよ。やっぱり好きな仕事なので」
ミリアン「わかるわ」
日向「ミリアンさんもですか?」
ミリアン「そうね。初めはある人の夢を叶えてあげる為に始めた仕事だけれど、毎日人の幸せのお手伝いを出来るのって楽しいし幸せよ」
日向「素敵ですね」

日向(あ・・・)



日向(藤堂・・・く・・・ん・・・ホテルの方から出て来たw)

日向(うわっ・・・気づかれた・・・!これは見てはいけなかったのでは・・・)

日向(隣の女性は・・・彼女さんかな?すっごい美人。今日は美人ばかり見るなあ・・・目が潤い放題なんですがどうしてくれる)
ニコッ

シーッ

日向(ひっ・・・!笑った・・・何アレどういう意味!?恐い)

「あの子アナタを見ているけど、お知合い?」


藤堂「さあ?」
「ふふ。意地悪ね♡」

ミリアン「さあ、どうぞ」
日向「緊張しますね・・・」
ジルベール「アハハ。緊張することないよw」

日向(わあ・・・)

日向(私にはまだ踏み入れてはならない聖域のような気がする)

日向「とても素敵なお店ですね」
ミリアン「ふふっありがとう♡少し待ってもらっても良いかしら?」
日向「はい」

日向「ショップでもデザイナーさんがいるんですね」
ジルベール「俺はメイクアーティストだからココでは仕事してないけど」

ジルベール「ここの隣、入口は裏なんだけどウェディングドレスの自社ブランドのオフィスがるんだよ。そこで、デザイン、制作されたドレスがここで並べられるってわけ」
日向「こんな近くに知らなかった」
ジルベール「オフィスだというのは目立たないようにしてるみたいだよw最近雑誌で取り上げられるくらい名は知られて来てるんだけどね、本人が」
日向「?」

ジルベール「来たみたいだよ」
日向「あ・・・」

ミリアン「紹介するわね」

ミリアン「彼は ウェディングドレスデザイナーのディラン・ブラウン」

ミリアン「私の弟よ」

日向(う・・・そ・・・パーティーに居た威圧感半端ないお兄さん・・・!?ええ~・・・ウェディングドレスデザイナー!!?)
ミリアン「ジルのパーティーでアナタを見てどうしてもアナタに合わせたドレスが作りたいって言っていたのよ」
日向(どうして私なんだろう・・・)

ディラン「俺がアンタを綺麗にするドレスを作るから」

日向(あ、もう決定事項なんですね・・・)
日向「は・・・はい?よろしくお願いします?」
流されやすい日向さんは美人のお姉さんが大好きのようです。